「ビザに関しては会社に任せているから大丈夫」「今まで問題なく更新できているから心配していない」- 在米日本人ビジネスパーソンの一般的感覚。しかし2026年現在、その大丈夫が通じなくなっているケースが増えている。
今回はすでにアメリカで働いている・ビジネスをしている日本人の方に向けて今確認すべきリスクや選択肢を書きたいと思う。なお、これからアメリカでビジネスをすべくビザ取得を検討されている方は、こちらをご覧いただきたい。
「今のままのビザで大丈夫」は過去の話になりつつある
トランプ政権になって以来、ビザ審査および要件が厳格化している。以前は問題なく通っていた更新申請が、当然RFE(追加資料請求)を受けたり、最悪の場合却下されるケースも出ている。
特に注意が必要なのは、自分でコントロールできない要因でビザが危うくなるパータンである。
パターン1: 会社スポンサーのH-1Bで長年働いてきた
H-1Bは雇用主がスポンサーであるビザ。よって、会社が倒産・売却・リストラをした瞬間に、ビザの根拠が失われる。特にテック企業での大規模レイオフが続いている中、「まさか自分が」という状況になるのは日本人も同じです。H-1Bの場合、解雇された後に次のスポンサーを探す猶予期間は原則60日しかない。
パターン2:配偶者ビザ(H-4)で滞在している
H-4はH-1Bホルダーの配偶者ビザであり、雇用者に付随して与えられるもの。メインである雇用者の雇用状況が変われば、自動的にH-4のステータスも影響を受ける。また、H-4就労許可(EAD)は、現在、政権の方針によって不安定な状況が続いている。
パターン3:グリーンカードを「そのうち」と先延ばししている
「会社がいつかスポンサーしてくれる」「まだ先でいいと思っていた」という方が、気がついたら優先日付が大幅に遅れていた、あるいは会社が申請を進めてくれなかった、というケースは珍しくない。グリーンカードは申請から取得まで数年から十数年かかることもあり、早く動くほど有利。
「会社設立+E-2ビザ」という自衛策
他人(会社)に依存しないビザステータスを得る方法として、自分でアメリカに法人を設立し、E-2という投資ビザに切り替えるという選択肢がある。
E-2ビザは、日米通商条約に基づくビザで、アメリカ国内の事業に日本人として全体の50%以上の「相当額」を投資している日本国籍者が申請できるもの。他の国籍者でもアメリカと通商条約があれば申請可能だが、なかでも日本人の許可率は非常に高い。H-1Bのように抽選もなく、会社に依存する必要がない(E-2のステータスを会社にスポンサーしてもらっている方を除く)。ビジネスが将来的にアメリカの経済にある程度の影響を与える必要があり、最初からアメリカ人の雇用が必須となっている。このビザは、B1/B2ビザ同様、アメリカ大使館の裁量で決まるものであり、会社の事業規模、内容、そしてビジネスプランが決定の肝になる。
向いている方の例:
・既にフリーランス・個人事業主として収入がある方、又は自分で事業をやったことがある方
・日本に事業基盤があり、アメリカでも同じ事業を展開したい方
・H-1Bの更新リスクを感じていて、別の選択肢を探している方
投資額の「相当額」に明確な下限はないが、事業規模や業種によって審査官の見方が変わる。また、トランプ政権になってから、最低投資額が上がっているようで、振替として簡単とは言い難いものの、日本人として一つの選択肢とはなる。
まとめ:ビザは困ってからでは手遅れになる
ビザの問題は、実際にトラブルが起きてからでは選択肢が一気に狭まる。「今のビザが切れる前に」「会社の状況が変わる前に」動くことが、最も賢い対処法。
現在のビザ状況の確認、グリーンカード申請の見通し、E-2の切り替え検討など、お気軽にご相談ください。Century Cityのオフィスで対面、又はオンラインのご相談も可能です。