専門家としてJust Answerの「アメリカ法」に関する質問に回答するようになって3年弱経つ。星評価をもらった数が今現在で311個になっているということは、多分、1,000以上の質問に答えてきたんだろうと予想する。日本法の回答者には、1万以上の星評価をもらっている猛者もいるが、アメリカ法の分野で(日本語回答で)この年数でこれだけの星評価をもらった人はいないのではないだろうか?今までのことを振り返る意味でも、現在まで回答してきて感じたことをまとめてみたいと思う。
1. 星評価及びシステムの問題
他のオンラインの法律相談のシステムがどうなっているかわからないし、報酬についての詳細記述は避けるが、少なくともJust Answerでは、私の実感として、星評価が高い回答に対して報酬が生じるようである。だから、どれだけ丁寧に回答しても評価が得られなければ収入につながらないという側面があり、この制度が専門家の継続性に影響しているように感じる。こうした状況の中では、限られた時間の中で質問内容と質問者のタイプを短いセンテンスで判断して回答をする、つまり専門家側が質問内容や質問者のタイプをある程度見極めながら対応せざるを得ない場面も出てくる。
又、星評価を得られた場合であっても、その報酬単価が高くなく、日本法であれば質問も多いのでまだマシかもしれないが、アメリカ法の分野だけで生計を立てるのはほぼ不可能である。だからなんだと思うが、私より後に参加した方もいたが、長続きせず、残っている専門家はごくわずかという印象。アメリカ法という専門性の高い分野でこのような状況になる背景には、報酬制度やボリュームのある質問対応の負担など、いくつかの要素が関係しているように感じる。アメリカ大使館関係の手続きで回答してくれている行政書士さんはいるものの、彼らが回答できる質問は限られている。最近では忙しくて常時接続はほぼ無理なのだが、使命感だけでやっている時もある。もちろん、使命感には報酬は発生しない。
2. AIと、重複しすぎ問題
3年近くもやっていると、同じような質問を見かけるので、回答する気になれない場合も多い。質問は公開されているので、それをうまくJust Answerが「よくある質問」のようにまとめてくれたら、何度も同じ回答をする必要ないんだけどなと思う。また、最近では「それ、AIに聞いてもわかるはず」というような簡単な質問も増えているし、「ビザ申請で入力していたら、システムが動かなくなった」という、システムのテクニカルサポートに聞いて、という内容のものも数多くある。これはJust Answerの振り分けに問題がある。Just Answerの最初の質問を受けているのはAIなのだが、「アメリカ本土の質問では必ずお住まいの州を聞いてほしい」と何度言ってもちゃんと聞いてくれないのも私的には二度手間。なぜなら、移民法は連邦法なのでいいのだが、不動産、離婚、交通違反問題は州によって違うので、州がわからないと回答しようがないからだ。
又、Just Answerからは、何度か「質問に対してAIで調べてそのまま回答しないで」という専門家宛の注意メールが来ていて、「ほう、AIで調べたまま回答する専門家もいるのか、専門家のレベルも下がったんだな」と思うけど、Just Answer自体が質問の受け皿にAI使っている=何度言ってもお住まいの州を聞いてくれない、ことを考えたら、まあお互い様なのでは、とも思う。
3. 自分が気に入る回答に誘導したい質問者問題
私が回答するときに避けるタイプの質問者として、自分が気に入る回答に誘導しようとし、誘導に乗らない正しい回答には星評価を低くしたり、「セカンドオピニオン求む」として、別の専門家に同じ質問をするような人。このタイプは、自分がやってしまったことを正当化しようとしたり、合法ではない、とわかっているのに、合法と言わせようとする傾向が強い。これに乗ってしまうと、専門家が抜け道を教えることにつながる。Just Answerは専門家は一般的な質問に一般的な回答をするだけであって、クライアントと専門家=法律分野では弁護士という関係は形成されない、と言っているのだが、こと法律問題において、一般的な質問というのはほぼないに等しいから、無理がある。又、オンラインで見えない専門家に対しては失礼をしても構わない、と思っている人も結構見かける。この手の質問者って、大体自分が希望する答えを書いていて、それでいいですよね、と言った確認を求めて、その要望が叶わないと星評価を低くしたり、専門家にキレてしまったり、その後サイトから離れて知らんぷりの人もいるので、悪いけど時間の無駄なので、無視することにしている。
4. 最後に
カリフォルニア州の弁護士資格を取得したての3年前には、特定の顧客もいなかったので、オンラインで色々な質問を見ていて回答するために色々調べたり考えたりしたので、自分自身の勉強になったことは事実。でも、最近ではAIの台頭もあり、こういうオンラインでの法律相談て、どうサバイバルしていくのかを半ば様子見状態。リアルでのクライアントも増えてきたので、そろそろここから卒業してもいいのか、それとも今後も細々とやるべきなのか、現在思案中である。